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調査地の風景

現在進行中,あるいはこれまで研究を行ってきたフィールドの様子です.予算と労力の都合もあり,全フィールドで継続して行うことは簡単ではありません.しかし,フィールドの実際を記述することがとても大切だと考えているので,できる限り継続して調査していきたいと考えています.

青海・チベット高原(中華人民共和国青海省)

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2001年からほぼ継続して調査を行っているフィールド.広大な草原(alpine meadow),チベット高原に点在する湿原,あるいは高山草原を対象として調査を行っています.自分(廣田)の博士論文を書いた想い出のフィールドです.素晴らしい自然の中で研究のいろはだけでなく,友人,恩師,家族,共同研究者など,その後の人生に欠くことが出来ない色々なことを教えてもらいました.

 日本の国立環境研究所,中国科学院あるいは北京大学などとの共同で研究を行っています.

 

筑波大学菅平高原実験センター(長野県上田市)

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筑波大学の遠隔地センターの一つで,この地域(冷温帯)の様々な遷移段階にある生態系が維持管理されている貴重なフィールドです.複数の遷移段階が隣接して存在するフィールドは非常に珍しく,大学内外の研究者によって様々な研究が行われています.さらに,当センターの技術職員らの努力によって,長期間の気象データが存在することも,このセンターの特徴の一つです.現在は,遷移にともなう炭素循環の変化に関する研究を行っています. 

 当センターはもちろん,岐阜大学や神戸大学のグループと共同で研究を行っています.

 

志賀高原カヤノ平ブナ原生林(長野県木島平村)

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冷温帯の典型的な成熟林(極相林)フィールド.信州大学教育学部の井田秀行先生の管理の下で,長期モニタリングされているブナが優占する成熟林です(環境省のモニタリングサイト1000に登録済み).成熟林に特徴的なギャップ・モザイク構造をみられます.ここ以外にも,いくつかのブナ成熟林や亜高山帯成熟林でも調査を行っています.これらのフィールドにおいて,我々は極相林に特有の植生構造と炭素循環の関係を調べています.

 信州大学教育学部付属志賀自然教育研究施設,神戸大学,岐阜大学等と共同で研究を行っています.

 

三宅島(東京都三宅村)

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2011年から調査を行っている我々にとっては,比較的新しいフィールド.伊豆七島の一つである三宅島は,十数年おきに起こる噴火に関連して非常に多くの研究が行われています.我々は,最も新しい2000年噴火からの生態系回復について,物質循環の様々な側面(特に土壌呼吸,枯死木の動態,あるいは窒素無機化等)から評価する研究を行っています.周囲長約33kmの小さな海洋島ですが,たびたび起こる噴火の影響で,様々な生態系が存在する非常に魅力的なフィールドです.

 環境研究総合推進費(H23-H25,代表加藤和弘先生(東京大学))のもとで,東京大学,宇都宮大学,慶応大学,東邦大学,および筑波大学の上條先生や田村先生の研究室と共同で研究を行っています.

 

木曽駒ヶ岳山頂付近(長野県宮田村付近)

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中央アルプスの木曽駒ヶ岳(中岳)の山頂付近の風衝地に設置された温暖化実験区フィールド.温暖化装置(いわゆるOTC)が設置されたのは10年以上も前になりますが,我々は2012年から本格的に調査を行っています.他の温暖化実験の結果と同様に温暖化実験区内の植物は大きくなっているのですが,それらの植物の生理的特性に着目した調査を行っています.高山帯ということで,フィールドに到着するのにほんの少しだけ苦労しますが,このフィールドを一度体験するとやめることが出来ません.

 この調査地を管理しつつ研究を行っている長野県環境研究所と共同で研究を行っています.

 

 

アンデス山系氷河後退域(ボリビアラパス近郊)

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南米アンデス山系に残存する高山域の氷河後退域,具体的にはボリビア・アンデス,チャルキニ峰(5329m)の西カール周辺です.2012年から始まった科研費(代表:水野一晴先生)に参加し,同年から調査を行っています.まずは現状把握ということで,氷河末端から植生や土壌に関する基礎的な調査を行っています.

 このフィールド調査の特徴は,様々な分野の方々と一緒に調査できることです.研究代表者の所属先の京都大学をはじめ,横浜国立大学,上越教育大学,千葉大学,日本大学,北海道学園大学,山岳地理学研究所などと共同で研究を行っています.色々な意味で,実に刺激的なフィールドの一つです.

 

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